第11回

日本の海洋安全保障と離島

平成24年5月14日(月) PORTA神楽坂 18:30 - 20:40

 

東海大学海洋学部 教授(経済学博士) 山田 吉彦 氏

 

政府は2012年1月、領海・排他的経済水域の基点となっている名前すらない39の無人島に命名した。

我が国は6,852の島からなる島国であり、そのうち6.400以上が無人島である。

我が国の排他的経済水域面積は世界第6位、沿海200海里の海水体積は世界第4位とされており、この確保を堂々と主張するためには、離島の存在が非常に重要となる。

島の領有とは、古文書に記述があるという歴史ではなく、実際に管理しているとの実態が伴うかどうかが問題となる。

無人島に命名するだけでなく、現時点で有効活用しているか、何らかの生活や活用の実態があるのかが課題であり、急ぎ計画を練り実行しなければならない。

                          講演中の山田先生
                          講演中の山田先生

海洋資源とは、水産資源と海底資源があり、我が国の海底資源には、メタンハイドレートなどのエネルギー資源やレアアースなどの鉱物資源が豊富に存在する。

水産資源も各国の生活レベルの変化に合わせ、タンパク質資源の見直しや高級魚の普及で需要が高まっており、今後は漁場の共有、漁船の共用などの協議が急がれるだろう。

また何よりも航路の問題は、それぞれの経済や産業に直結し、島の領有の有無によってはこれが損なわれる事態が必ずや発生する。

      熱弁を奮う山田先生
      熱弁を奮う山田先生

我が国の重要な島嶼部の紹介と、それぞれの地域に関する問題点を紹介する。

(沖ノ鳥島、尖閣諸島、竹島、北方領土を順に解説。)

 

2007年7月20日の海洋基本法施行後、総合海洋政策本部を中心に海洋基本計画など、作業が行われている筈であるが、1968年の国連調査で尖閣諸島近海の海底油田発見以降、中国の領有権主張は、大規模でスピーディで、かつ計画的でさえある。

比べ、我が国の対応は甚だ「遅い」と言わざるを得ない。

4隻の巡視船に対して270席の漁船で押しかけ、その漁船には魚探と、漁船でありながらAISが搭載されていたことは既に把握されている。

この行動が何を意味するかを考えて頂きたい。

増税も問題ではあろうが、その経済基盤である「国土」について、先にやるべきことがあろうかと思うが、如何に。